「十三機兵防衛圏」 感想

PS5・PS4

公式HPリンク

※2022/05/04追記
Switch版発売おめでとうございます!
Switch版の商品リンクを追加しました。

前置き

2019年11月の発売日以前から面白そうとの評判を聞いており関心を持っていた作品ですが、直前の10月末に「ペルソナ5 ザ・ロイヤル」が発売されたために後回しにしてしまい、ずるずるとプレイし損ねていました。
やりたいゲームの新作ラッシュもひとまず落ち着いて時間的に余裕ができたのでプレイしてみましたが、これが面白いのなんの!


本作が面白すぎることや、半年ぶりくらいのノベルゲーだったこともあり、メチャクチャやりまくってしまいました。
どれくらいやりまくったかというと、午前11時から一時間ほどプレイし、昼食を挟んで午後2時くらいから午後6時くらいまでまたプレイしてしまうくらいです。
なんならこのプレイ時間を三日連続でしたくらいです。





………私の自制心が足りないのではなく、本作が面白すぎるのが悪いので。
決して他にやらなければならないことを深夜に後回しにしたとかではないので。

そんなこんなで見事に私を沼らせた本作ですが、その面白さは重厚なストーリーにあることは既プレイ勢の総意であると断言できるため、なるべくネタバレは避けてお話していきたいと思います。
※少しのネタバレも嫌な方はプレイ後にまたお会いしましょう

キャラクター別感想

本作は「十三人の主人公の視点で描かれる物語」とHPなどでも紹介されており、実際主要キャラクターはその通りの立ち位置で間違いありません。

そして、せっかく十三人も対等な立ち位置のキャラクターがいるので、ちょっとした個人的ランキングも合わせて書いていきます。
・追想編好き順位=ストーリー編の内容の好み
・崩壊編=バトル編の使い勝手
・機兵起動シーン=機兵起動時周辺の演出

鞍部十郎

*公式HP

十三人の中でも突出した主人公

と思っていましたが、最終的には突出して目立っていたという感じではないという印象です。
確かに総合的な出番は多いんですけど、全てのストーリーを追った後だと他の主人公たちと同程度の愛着レベルだったので制作側の構成の上手さに脱帽です。
趣味への関心や異性への対応など感情を素直に表すことが多かった点が微笑ましかったです。

機兵起動シーンは特にストーリーの深部と関わっているので細かくは言えませんが、それまでの疑問の多くがスッキリし、鞍部だけでなく他の主人公のストーリーの積み重ねをも一つとして感じられるシーンとなっていたため1位としました。

崩壊編(バトル編)では第2世代機に搭乗。
評価としては、設置技も微妙、遠距離も微妙、近接も微妙と三拍子そろう微妙っぷり。
積極的に選択することはない子になってしまいました。

・追想編好き順位:1/13
・崩壊編好き順位:10/13
・機兵起動シーン好き順位:1/13

薬師寺恵

*公式HP

献身的で家庭的な女の子

見た目的に女性キャラの中では一番のクール系に見えますが、実際は感情の起伏がかなり激しいように感じられました。
このことは本人も自覚しているみたいで、感情的な行動で失敗しないようにシミュレーションする描写も多くありました。
あと、立ち絵のソックスの端がレースになっていてなかなかにエッチ。

機兵起動シーンの印象はちょっと弱めですが、場所はそれなりに好きといった感じ。

崩壊編では第4世代機に搭乗。評価としては、設置技の”インターセプター”がとっても有能。
その”インターセプター”を強化する”ハイパーコンデンサー”を序盤から低出費で習得できるのでさらに有能。ミッション等で除外せざるを得ないとき以外は基本的に使用していました。

・追想編好き順位:6/13
・崩壊編好き順位:8/13
・機兵起動シーン好き順位:8/13

関ケ原瑛

*公式HP

キザでクール系のイケメン男子

特にボロも出さず最後までカッコいいのに、男の私も自然と愛着が沸いてしまう不思議。このあたりも制作側の構成の上手さなんでしょうか。
しかし、ただでさえ時間軸のややこしい本作のストーリー(追想編)において、関ケ原の物語は記憶喪失の状態から描かれるので非常に状況の整理が難しいです。
そのため、関ケ原のストーリーは他のキャラよりもやや気合を入れて取り掛かった方が良いかもしれません。

機兵起動シーンは無難な印象ですが、何気に冬坂のことを気にしているのは好印象。

崩壊編では第1世代機に搭乗。評価としては、無難に強い
”関ケ原”がというより第1世代機が強いです。
自身の周囲の一定範囲にEMPをまき散らす”EMPサラウンディング”を習得でき、高威力のアーマー貫通技と組み合わせることで、地上・空中の大型敵に両対応できます。

・追想編好き順位:2/13
・崩壊編好き順位:1/13
・機兵起動シーン好き順位:9/13

冬坂五百里

*公式HP

恋に素直な女子高生

恋愛にピンと来ていない様子をプレイヤーに見せつけた直後に上述のクールボーイ関ケ原に一目惚れしてしまう女の子。
夢の内容や帰り道の買い食いなどいろいろなことに気を回しながらも、常にどこかで関ケ原のことを優先的に考えていて、恋を見つけた等身大の女子高生という風に感じました。
筆者は女の子じゃないので女子高生の等身大ってわからないんですけどね。

機兵の機動マーカーの位置はもちろん、起動時のセリフがかなり好みなこともあり、機兵起動シーンランキングは堂々の1位です!と言いたいんですが、鞍部の起動シーンが良すぎたので惜しくも2位です。

崩壊編では第2世代機に搭乗。
評価としては、設置技は鞍部よりはマシ、遠距離は微妙、近接も微妙と鞍部よりはマシ程度の微妙さ。
キャラとしては使ってあげたいけどそんなにいらないかなと感じてしまう子。

・追想編好き順位:12/13
・崩壊編好き順位:9/13
・機兵起動シーン好き順位:2/13

三浦慶太郎

*公式HP

妹を何より大切に思う好青年

祖国・妹・お世話になっている人など多くのものを守るために励む姿は非常に好印象でした。ハンバーグへの欲求が素直なところも愛らしいところです。
(たぶん)手術で機動マーカーを入れた唯一の人物で、その場所が額なのでそれなりに痛々しい感じになってしまっています。

機兵起動シーンについては、比治山との男の友情は感じましたが、マーカーの位置もあって個人的にはあまり好きではないといった感じです。

崩壊編では第3世代機に搭乗。
評価としては、よくわからない間にクリアしてしまった感じです。
三浦に限らないんですが、第3世代機の行動の正解が全く分かりませんでした。
誰か使い方知ってたら教えてください…

・追想編好き順位:11/13
・崩壊編好き順位:11/13
・機兵起動シーン好き順位:11/13

南奈津乃

*公式HP

いつも元気な”なっちゃん”

宇宙人との交流を夢見るあまりに勘違い気味に突っ走ってしまうこともありますが、基本的に素直で元気なのでプレイしている側も楽しく過ごせると思います。
だからこそ、物騒なシーンでは他のキャラより心配してしまう自分もいましたが。

機兵起動シーンについては、一連の流れの最後以外は朗らかな状況でしたのでプレイする側もワクワクしながら機兵の登場を待てました。最後は少し物悲しい…

崩壊編(バトル編)では第3世代機に搭乗。
評価としては、よくわからな(略

・追想編好き順位:7/13
・崩壊編好き順位:13/13
・機兵起動シーン好き順位:6/13

網口愁

*公式HP

男にも女にもモテるイケメン

関ケ原とはまた違った感じのイケメン君です。
飄々とした軽さから軟派な面もありますが、譲れない芯を持っていることは周囲も感じているため性別問わず人を引き付ける魅力があります。
ストーリーも結構重要なパートを担っていたため、かなり好きなキャラです。

機兵起動シーンについては、あまり劇的な場面という感じではありませんが、そこが逆に網口の”爽やかさ”や”軽さ”を良い意味で醸し出せていたと思います。

崩壊編では第4世代機に搭乗。評価としては、万能型という感じ。
第4世代機は機動力が高いのと共に、対多数・対単体の技をバランスよく習得できるのが魅力に感じました。
特に網口の機体は他の第4世代機の主要技を序盤で習得できるので使い勝手が良かったです。

・追想編好き順位:4/13
・崩壊編好き順位:4/13
・機兵起動シーン好き順位:7/13

鷹宮由貴

*公式HP

大切な人のために行動できるスケバン

こういう不良系の女の子は個人的に結構好き嫌い別れがちなんですが、好きです。
不良は友達思いっていうのが定番で、例に漏れず友達(なっちゃん)思いな様子は見ていて気持ちがいいですね。
随所でみられる、友達以外にも情が深いところが鷹宮の魅力。
ストーリーも環境に振り回されはするものの、謎めいた箇所は少なくてわかりやすかった印象。

機兵起動シーンについては、自身のストーリーパート中で描かれていないこともありやや不完全燃焼気味。マーカーの位置が鎖骨周辺な点はエロスを感じられて好きですが。

崩壊編では第4世代機に搭乗。
評価としては、第4世代機のタイマン用という感じ。
第4世代機の機動力の高さを利用した”レッグスパイク”は、対大型機の遊撃としてかなりいい感じに働いてくれます。

・追想編好き順位:9/13
・崩壊編好き順位:7/13
・機兵起動シーン好き順位:13/13

比治山隆俊

*公式HP

「沖野」50%・「焼きそばパン」50%で構成される男

戦時中の軍に在籍していたために正義感の強さを感じさせる言動もありますが、それよりも前述の二つの要素が強すぎる男です。(沖野は女装していた同僚です)
後輩である三浦との上手い食べ物マウント合戦は本作で一番好きなシーンと言えるかも。

機兵起動シーンは、比治山らしく男気に満ちた強い意志の表れが格好良かったため上位にランクインです。

崩壊編では第1世代機に搭乗。
評価としては、他の第1世代機同様に強い。
関ケ原と同じで”EMPサラウンディング”を習得できるので、一人で敵出現ポイントに出向かせて殲滅することも十分可能。

・追想編好き順位:3/13
・崩壊編好き順位:3/13
・機兵起動シーン好き順位:4/13

如月兎美

*公式HP

いまどきメガネJK

他の主人公たちが物語全体の核心に触れていくのに比べると、自分の置かれた状況に対処していくことが多いように思えました。
それもあってか、ストーリーはあまり印象に残っていません…

機兵起動シーンについては、主人公十三人以外のキャラと絡みがある珍しいパターン。
正直キャラデザ的にはあまり好みじゃないですが、後ろ腰の機動マーカーはオシャレを感じざるを得なかったためこの順位です。

崩壊編では第3世代機に搭乗。
評価とし(略

・追想編好き順位:13/13
・崩壊編好き順位:12/13
・機兵起動シーン好き順位:12/13

緒方稔二

*公式HP

リーゼントの良さをわからせてくれる男

リーゼントと言えば不良で、不良と言えば情に厚いということをしっかりと教えてくれる良い不良でした。リーゼントを整えるモーションも本人がノリノリであることが伝わってきて非常にGood。
ストーリーはほぼ全編同じ場所で展開するので絵面的にはやや退屈かも。
逆にストーリー展開のフラグ立てはタイミング要素も絡んでくるので一番ゲーム的と言えるかもしれません。

機兵起動シーンは、見た目通りの熱いセリフだけでもポイントが高いんですが、くるぶしの機動マーカーに触れる姿が他のキャラよりもロボット起動用の専用のポーズっぽくて心に響きました。

崩壊編では第1世代機に搭乗。
評価としては、第1世代機なので当然強い。
他二人と違い”EMPサラウンディング”は習得できないものの、主要なアーマー貫通技である”デモリッシュブレード”の攻撃範囲を広げるスキルを習得できるので、他の二人よりも一掃能力は高いかもしれません。

・追想編好き順位:5/13
・崩壊編好き順位:2/13
・機兵起動シーン好き順位:3/13

東雲諒子

*公式HP

環境に翻弄される可哀そうな少女

ある程度周囲の環境が把握できているプレイヤー視点からすると、痛々しいとも言えるようなストーリー展開でした。
記憶がはっきりしないが故に周囲と会話が嚙み合わない様子は、見ているこっちも辛いからやめてください…

機兵起動シーンは、盛り上がる展開というよりはひたすらに彼女の意思を感じさせられるシーンになっていました。
微笑ましい要素は皆無と言える環境に置かれたとしても、機兵に搭乗する決意が揺るがないのは彼女の強さの表れでしょう。

崩壊編では第2世代機に搭乗。
評価としては、設置技専用マシーン。
第2世代機の中で唯一”ハイパーコンデンサー”を習得するため、設置技要因として使いどころは感じました。
その他のスペックは相変わらず微妙なので、第2世代機誰か入れるかとなったらとりあえず入れておく、そんな子。

・追想編好き順位:10/13
・崩壊編好き順位:6/13
・機兵起動シーン好き順位:10/13

郷登蓮也

*公式HP

真実へ突き進むスタイリッシュボーイ

誰よりも全体像を把握した状態でストーリーが始まり、物語全体の統括を行う役割も担っているため、彼のストーリーが一番読後感を味わえると思います。
公式配信でも言われてましたが、タクシーを止めるシーンはかなりの見どころ。

機兵起動シーンについては、クールさとスタイリッシュさを存分に見せつけながら決めてくれます。
郷登については、機兵起動のカッコよさ云々より彼の内面がやっと垣間見れたことの嬉しさが勝っているかも。

崩壊編では第4世代機に搭乗。
評価としては、かなり使いやすい印象。
薬師寺と同様に”インターセプター”と”ハイパーコンデンサー”を習得できるので設置技要因としても十分に機能します。
薬師寺より攻撃技もそろっているのでバランスが良いです。

・追想編好き順位:8/13
・崩壊編好き順位:5/13
・機兵起動シーン好き順位:5/13

個人的キャラランキング

順位をそのままポイントとして合計点が低い方を高順位としました。

1位比治山・緒方

3位:鞍部・関ケ原

5位:網口

6位:郷登

7位:薬師寺

8位:冬坂

9位:南・東雲

11位:高宮

12位:三浦

13位:如月

「お前そんな低いのか」と自分でもびっくりしたかと思えば、

「まあこいつは好きだしこれくらいがふさわしい」と納得したりする結果になりました。

全員に思い入れがあるということですかね。

ゲーム要素別感想

ストーリー

間違いなく面白い!

序盤はあまりに何もわからないため、確かにのめり込みにくいかもしれません(記憶が曖昧な奴が多すぎる…)。

ただ、各主人公のストーリーを進める中でそれぞれのストーリーが同じ場面に到達する度に謎が解けていくことで、

「あー、あそこのセリフはこういう意図だったのか」

「このタイミングでこのキャラが到着するのか」

といった感じで、気づけば物語に夢中になっています。

HPに書いてある以上のことを言ってしまうと、正直何を言ってもネタバレになってしまう気がするのでストーリーについてはこのくらいしか書けませんが、プロローグ体験版をプレイしてストーリーに苦手意識が芽生えなかった人・興味を持った人は最後まで楽しめるストーリーになっていると思います。

システム

遊びやすさという点ではかなり考慮されていたように思います。

ストーリーパート(追想編)、バトルパート(崩壊編)、アーカイブパート(究明編)と三編が独立して選択可能な構成になっているため、「今日はこのパートをあと一つ進めて終わりにするか」という感じでプレイの目安がつけやすいです。

さらに追想編や崩壊編のなかの一区切りも10分くらいとなっており自分のペースを作りやすいです(そう思っていても面白すぎて結局やめられないのは内緒)。

また、各種選択画面やストーリーの途中、戦闘途中など本当にどこでもセーブできるのはかなりの押しポイント。

アーカイブも各項目の入手時点で判明していることだけ更新されていくのでネタバレの心配もなく逐次確認できるのはとても便利です。
本作の設定はかなりややこしい部類だと思うのでご活用ください。

音楽

結論から述べてしまうと「やや弱い」と感じたところがあります。

というのも、明確に「あのシーンの曲だ!」と思い出せるものが少なかったからです。
一般的なRPGだと戦闘曲はどんなものかすぐに思い出せるが、このゲームの場合はピンとこないといった感じです。

ただこの現象は各曲の出来が悪いとかじゃなくて(むしろ1985年という時代や機兵という近未来成分など多様な要素を上手く表現できていると感じました)、楽曲数が圧倒的に多いからなんです。
私の本作のプレイ時間は約30時間なんですが、サントラ収録楽曲数はなんと83曲!約80時間プレイした”ペルソナ5”のサントラが110曲だったことを考えると、本作の曲数の多さがわかると思います(1曲あたりのプレイ時間:十三機兵=0.36時間,ペルソナ5=0.72時間)。
その分一曲当たりの印象が薄くなってしまったという感じですかね…

という感じで偉そうに評価してしまいましたが、数ある楽曲の中でも”渚のバカンス”という曲は本作をプレイした人で好きにならないことはないと断言できる楽曲になっていますので、こうご期待。

おわりに

久しぶりにノベルゲーをプレイしましたが本当に素晴らしい作品でした。多くの高評価を耳にしていましたが、その期待値を越えてくる作品でした。

ストーリー展開の方法はもちろんのこと、バトル、アニメーション、音楽など多くの要素が詰まった”ゲーム”という媒体だからこそ表現できた作品と言って過言ではないでしょう。
頭からっぽ状態で最大限楽しめるとは決して言えませんが、SFやミステリー小説などに抵抗のない人には非常におすすめできる作品ですので、ぜひプレイしてみてください。

こんな感じで「十三機兵防衛圏」の感想を締めさせていただきます。お付き合いいただきありがとうございました。




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